− 夏色模様 −

2日目⇒ ギュッて、そっと……。





なんて、からかってみたけど。 泣いているいっくんが放っておけなくて。


「男の子だって、泣いてもいいんだよ?」


「だからー、泣いてねーの」


「よしよし……。 今日は、あたしが慰めてあげるからね」


知らず知らずの内に、あたしの腕はいっくんの背中に回っている。


いっくんが泣いたら、あたしが慰めてあげるから、いつでも泣いていいよ。




「…… よしっ、旅館に戻るか」


練習はいいの?

まだ、半日くらい練習は残っているんだよ?


あたしたちは、バスケ部の助っ人としてやって来たのに…… サボったりしたら悪いよ。


「いいよ、もう今日は……。 今は、まおと部屋に戻りたい―――」


本当は戻らないとイケないって…… 頭では分かっている。

でも、頭よりも先にココロが求めてしまう。


「いっくんと、戻る」




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