− 夏色模様 −

2日目⇒ 一緒に。





「いっくんは?」


「あー、なんか寝ているっぽいわ」


やっぱり、来ない。

分かり切っていたことだけど……。 どこか寂しい。


陽太くんがわざわざいっくんを呼びに行ってくれたのに、寝ているなんて……。 なんて、非常識なヤツだ。


「あとで、樹の部屋にメシ……。 運んでもらえるかな、まおちゃん?」


「うん、いいよ」


っていうか、絶対いっくんは寝てないよね!?


もしかして、一人で泣いているのかな?


だったら……。


「いっくーん」


ご飯を食べ終わり、優ちゃんと大浴場に行った後……。 すぐに、いっくんの部屋にやって来た。


ご飯はあたしが食べ終わってからすぐに運んでおいたから、もう食べ終わっているはず。


「あーけーてぇー」


「……」


ほっほー。 いっくんなのに、無言を貫き通すなんて。




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