− 夏色模様 −
* * *
ジリリリーっと、大きく目覚まし時計が鳴った。
「んっ、んー」
うるさい……。
腕を伸ばして、目覚ましを止めようとしたけど。
「ほらっ、起きろ」
いっくん?
…… あぁ、そっか。 いっくんの部屋に泊まったんだ。
「まだ、ねむいよ……」
「しょうがねーよ。 練習は今日までだから、頑張ろうな」
「うーん。 頑張る……」
よしっ、気合いを入れて頑張ろう!
まぶたを上げ、いっくんが視界に入った。
「いっくんっ」
「ん? どうした?」
「おはよう」
「…… あぁ、おはよう」
いっくんが体を起こしたから、あたしも体を起こす。
いっくんに背中を支えてもらって起き上がった。
んーーーっ!
腕を高く上げる。
「浴衣、崩れているからちゃんと直せよ」
「えっ…… あっ! キャッ」