− 夏色模様 −




* * *


ジリリリーっと、大きく目覚まし時計が鳴った。


「んっ、んー」


うるさい……。

腕を伸ばして、目覚ましを止めようとしたけど。


「ほらっ、起きろ」


いっくん?

…… あぁ、そっか。 いっくんの部屋に泊まったんだ。


「まだ、ねむいよ……」


「しょうがねーよ。 練習は今日までだから、頑張ろうな」


「うーん。 頑張る……」


よしっ、気合いを入れて頑張ろう!


まぶたを上げ、いっくんが視界に入った。


「いっくんっ」


「ん? どうした?」


「おはよう」


「…… あぁ、おはよう」


いっくんが体を起こしたから、あたしも体を起こす。

いっくんに背中を支えてもらって起き上がった。


んーーーっ!

腕を高く上げる。



「浴衣、崩れているからちゃんと直せよ」


「えっ…… あっ! キャッ」




< 135 / 300 >

この作品をシェア

pagetop