− 夏色模様 −




まあ、ね。 昨日はいっくんにあんな恥ずかしいことを、やられたけど……。

キスマークなんて、いつ付いたの?


「まおは、気づかなかったみたいだな……」


うわっ、どうしよう……。 いっくんの部屋に泊まっているのは優ちゃんだって知らないのに、キスマークなんて見つかったら……。


優ちゃんにからかわれるよー。


「まお、振り向いていいか?」


「あっ、うん。 いいよ」


いっくんはあたしが浴衣を整えている間。 ずっと、背中を向けていた。

恥ずかしがるあたしを見越しての行動。


振り向いたいっくんは、あたしの右肩の辺りを指で叩いた。


「ここら辺にあるんだわ」


ちょうど、服を着たら隠れる位置だけど……。


「いっくんのバカッ」


「マジわりーって思っている」




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