− 夏色模様 −
いくら見えないからと言っても。
これじゃあ……。
「恥ずかしいよ」
特に悪いことをしていたってわけじゃないけど……。
キスマークなんて、気分的に恥ずかしい。
だって……。 ねぇ。
あたしたちは“カレカノ”ってわけでも無いし、ただの“幼なじみ”だから。 なおさら恥ずかしい。
「いやっ、ついな……。 思ったら付けちまっていた」
「うぅ……。 バカッ」
“思ったら”じゃないよ。
あたしの気も知らない……。
「いっくんのバカーー」
思いっきり叫んでやった。