− 夏色模様 −




いくら見えないからと言っても。

これじゃあ……。


「恥ずかしいよ」


特に悪いことをしていたってわけじゃないけど……。


キスマークなんて、気分的に恥ずかしい。


だって……。 ねぇ。

あたしたちは“カレカノ”ってわけでも無いし、ただの“幼なじみ”だから。 なおさら恥ずかしい。


「いやっ、ついな……。 思ったら付けちまっていた」


「うぅ……。 バカッ」


“思ったら”じゃないよ。

あたしの気も知らない……。


「いっくんのバカーー」


思いっきり叫んでやった。




< 138 / 300 >

この作品をシェア

pagetop