− 夏色模様 −
3日目⇒ いっくんのバカッ。
「優ちゃん、あたしと一緒に向こう行こ!! いっくんなんておいて」
優ちゃんの腕を強く掴み、あたしはいっくんから離れる。
もちろん、優ちゃんはあたしといっくんに何があったか知らないので不思議そうな顔をしている。
体育館の中では、部員たちが試合を行っているので、あたしと優ちゃんは観戦。
…… なんだけど。
隣に立つ優ちゃんに視線を移す。
「なんだかにやけている」
「気のせいだよ」
嘘だ! 絶対、嘘だ!
普段なら誰か怪我をしないか、目を光らせているのに今日はずーっと陽太くんばかり目が追い掛けている。
「陽太くんとなにかあった?」
「珍しいじゃん、まおが髪をおろしているなんて」
あっ、話しを変えた!
ズルイッ!
「か、髪は……。 なんとなくだよ」