− 夏色模様 −
“だったら……” そう、言葉を続けた。
「今からコンビニまで行ってもらえますか?」
コンビニまでって…… お使いですか?
そりゃ、花火が出来ないからって…… お使いって。
だったら部屋でいっくんといた方がマシな気がする。
「1000円渡すので、お茶と水と何か…… “適当”に買ってきて下さい」
「適当って?」
いっくんが眉を寄せて尋ねた。
「前田くんと……」
あたしに視線を移した。
「木下さんの、好きなモノを買って帰ってきて下さい」
えっ…… いいの?
だってそのお金って、先生のお財布のお金でしょ?
お茶と水だけなら、1000円もいらない。
「んじゃ、行ってきます」
「ちょっ、いっくん!」