− 夏色模様 −
「誰があんなヤツにまおを渡すかよっ」
突然、後ろから声が聞こえた! ――― と思ったら、前田くんが不機嫌そうに立っていた。
もしかして……。 あたしたちの話しを聞いていた?
「つーか、西村だろ? バスケ部のキャプテン」
「あー、まあな……」
えっ! 名前まで知っているの?
前田くんはいくらバスケ部の助っ人をやったことがあるからって……。
後輩の名前まで覚えているんだ。
なんだか以外だな……。
「アイツがまおに気があるのなんて、ずっと前から気づいていたし」
「だったらどうしてこんな所にまおちゃんを連れてきたんだよっ」
今、まおは……。 少し離れた所で、タオルを出しているからあたしたちに気づいていない―――。
「まおは簡単に傾いたりしねーしっ……。 でも…… まあ、わからねーけどな。 俺らは付き合っているわけじゃねーからな」