− 夏色模様 −
「さー、入って入って!」
平本先生の部屋には、いっくんがあとで届けてくれるらしいから、コンビニからあたしの部屋に直行した。
「あー、水しかないけど…… 水でいいよね?」
「あぁ、いいよ」
もわんっと、暖かい空気が包まれ、背中に汗を感じる。
さっき、エアコンを着けたから徐々に涼しくはなるだろう……。
「はいっ、どーぞ」
いっくんの前に水とお菓子を差し出す。
ポテチがいい? あっ、ポッキーもあるよ?
なんでも好きなお菓子を選んでいいよー。
大量のお菓子を目の当たりして、いっくんの顔が若干引き攣っている。
そんないっくんを横目にして、あたしはまず初めにゼリーに手を着けた。