− 夏色模様 −
4日目⇒ 願い事一つ。
さすがに、歩き回ると……。
「いっくん、お腹減った」
「だな。 俺も減った」
朝食を食べて、それから何も食べていない。
人も多くて、正直疲れた。
「あと少しでランチ出来るところがあるらしいから、そこまで頑張ろうな?」
「うん」
いっくんはあたしが疲れていることに気づいている。
だから、握る手が少しだけ強くなった。
「海鮮丼とか、あるかな?」
「高いから却下な」
「えーっっ! いいじゃん」
水族館に来て、海鮮丼を食べるのもどうかと思うけど……。 新鮮なお刺身食べたい!
海の近くなのにな……。
「あっ、ランチセットでいいか?」
いっくんがレストランの広告を見つけ、指差した。
その指先を見つめる。