− 夏色模様 −




“コーヒーがあればいいから”


なーんて、大人みたいなことを言う。


まあ、コーヒーを飲める時点で“大人”なんだろうと思うけど……。


「やっぱりデザートは別腹なんだよ」


「…… 太っても、知らないからな」


ちょっ! それは、女の子には“禁句”だから!

やっぱりいっくんは“女ゴコロ”を分かっていない。


「そうだ、まお」


なにか思いついたように、いっくんが声を上げた。

カチッと、カップをテーブルに置いた。


「夏休み、まおってヒマだろ?」


「まぁ、ね……」


得にこれといった予定もなく…… ダラダラ、過ごす予定。


「毎日俺に、メールしろっ!」


…… はっ!?


目の前に座るいっくんは、わけのわからないことを言い出した。




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