− 夏色模様 −




あたしのペースに合わしているのか…… それとも、店内が混んでいるせいか。 歩くペースはゆっくりである。

「あっ、このイルカのストラップ。 かわいい」


ピンク、青、黄色。 3種類のイルカがある。


「ねえ、ねえ! これなんて、どう?」


「あー、いいんじゃねーの?」


もうっ! いつもお土産を選ぶときは、協力的じゃないんだからっ!

もっと、真剣に考えてよっ!


「まおが選んだやつなら、理央ちゃんはなんでも喜ぶんじゃないか?」


「そうかなー?」


「理央ちゃん。 結構、シスコンだから」


「――― へっ!?」


いっくんの言っている意味が分からず、聞き返した。


理央ちゃんが“シスコン”って……。


そんなことあるわけが無い。

なんせ、あの理央ちゃんだ。




< 177 / 300 >

この作品をシェア

pagetop