− 夏色模様 −
「まおが気付かないだけであって、理央ちゃん、マジでまおが好きだぞ」
あたしも理央ちゃんは好き。
なんか、いっくんにそうやって教えてもらえたら嬉しくなる。
「ほら、理央ちゃんに選ぶぞ。
…… まおはピンクでー、理央ちゃんはどうすっか」
あたしのピンクは決定なのね。
ケータイもピンクだから、自然と付けるものもピンクになる。
「まおー、理央ちゃんの選べー」
「はーいっ」
青と黄色のイルカを見つめる。
理央ちゃんなら…… 青より黄色だ。
青は…… いっくんだな。
「よしっ、決めた!」
3種類のストラップを持って、会計に向かう。
ピンクはあたしの。
黄色は、理央ちゃん。
「青の持って、どうするんだ?」
「いっくんの分」
そう、青はいっくんの分。