− 夏色模様 −
そうやって、安心したような顔をみせられると……。 なんだか複雑だけど。
「30分、休憩」
平本先生が声をあげる。
ぞろぞろ、ボトルに向かって部員たちが近付いて来る。
部員たちが一斉に休憩に入るからいくつも作っていたお茶がすぐに終わってしまう。
時には……。 足りないくらい。
「まおっ、桐谷と前田くんと平本先生にお茶、持っていって」
「うんっ」
まおにコップを3つ渡して、あたしは足りなくなったボトルにお茶を足す。
桐谷たちは部員たちに先に休憩を取らせて自分たちはあまり休憩をとらない。
いくら室内……。 といっても、今は夏。
熱中症や脱水症状などになりやすい。
ここまで来て、倒れられたら困るっ。
でも、あの3人。
今が何の時間なのかわかっていないのか?
奥のコートで3人で軽くバスケをやっている……。