− 夏色模様 −
バスケもでき、勉強も出来る。
そして、何にも流されない前田先輩。
容姿もそこそこ整っているから、言い寄りたい女は数知れず。
だけど、前田先輩の雰囲気からは話しかけずらく、あまり女子から言い寄られない。
そんなところも、かっこいいと思う。
「いっくん、ありがとう」
どうやら、ケガしている俺のことをまお先輩は頼んだらしい。
「別に大した事じゃねーよっ」
無事、1階着いた。 着いたら着いたで、前田先輩に近くのベンチまで連れてきて貰った。
“ケガ人”ってことで、俺は座っているが…… 目の前には、前田先輩と…… まお先輩。
「雄飛(ユウヒ)」
「…… 捺稀(ナツキ)」
片付けが済んだのか、親友の捺稀が近づいてきた。
「友達も来た所だし…… 俺らは帰るわ」
「スイマセン、ありがとうございました」
前田先輩にお礼を言って、まお先輩に視線を移した。
「じゃあ、気をつけてね」