− 夏色模様 −
そんなこんなで、季節は移り変わり…… 毎年恒例になった、夏合宿が近付いてきた。
俺も2年に進級して、バスケ部のキャプテンになった。
「よっ、西村。 元気だったか?」
「桐谷先輩っ!」
夏合宿前の練習に、桐谷先輩が来てくれた。 もちろん、隣には前田先輩もいる。
3年生になった桐谷先輩は、受験で実技試験があるらしくたまに練習に来てくれる。
でも前田先輩は、3年生になってからはほとんどと言っていいくらい、練習にも来なかった。
「どうしたんですか? 先輩たちが二人揃って来てくれるなんて珍しいですね!」
「あー、今日はちょっと言いたいことがあってな」
なんだ?
俺…… キャプテンだけど、何も知らない。
練習が始まる前、副顧問の平本(ヒラモト)先生が部員を集めた。