− 夏色模様 −
最初は前田先輩から。
「不慣れですが、よろしくお願いします」
小さく頭を下げた。
次は桐谷先輩。
「暑いけど、去年のように楽しく練習したいと思ってます。
…… みんなは知らないと思うが、木下さんは初参加でバスケのルールが全くわからない。 だから、困ることが多いと思うから、積極的に手を貸してやってくれ」
確かに木下先輩は、バスケ部員じゃない。
あっ、もちろん愛川先輩もだ。
でも、木下先輩と一緒か……。
「雄飛、よかったな」
隣から捺稀の声が聞こえた。
木下先輩を想いつづけて、約1年。
木下先輩に近づける日がやってきた。