− 夏色模様 −
1日目⇒ 近距離、遠距離。
バスは再び動き初め…… 目的地に到着した。
俺たち部員は、身の回りの整理をする。
「ゴミあるかー?」
大きな袋を抱えた前田先輩が前の方から歩いてきた。
バスに乗っていたのは、ほんの数時間。
朝も早かったせいで、大量にゴミはない。
「西村、ゴミあるか?」
「あっ、無いです」
…… 今、俺。 名前で呼ばれなかったか?
他の奴を名前で呼んでいる様子は無かったから……。
「~~~ ッッ!」
なんか、目茶苦茶嬉しい!
「ペットボトルのゴミありますかー!」
その時、木下先輩が袋を持って歩いてきた。
やっべー、ペットボトルだろ? ペットボトル……。
当然、当たりを見回しても見当たることは無く。
「捺稀っ、ペットボトルあるか?」
「はぁ!? まだ残ってるし……」
「飲めっ! 急いで全部飲めっ!」
「無理言うなよー、まだ半分以上あるんだぞ?」