− 夏色模様 −
癒しだー。 木下先輩には、癒される。
「まお、お前ちゃんと水分とっているか?」
「ちゃんと水分とってますよーだ!」
唇を尖らせる木下先輩は本当にかわいらしい。
なんでこんな可愛いの?
やべーよ。
「あっ、あの!」
勇気ある部員が前田先輩と木下先輩に話しかけた。
「どうした?」
立って話していた二人が、そいつに視線を移した。
「二人って仲が良いんですね!」
「あー、まあな……」
後ろ髪を掻いて、前田先輩が答えた。
隣に立つ木下先輩は、木下先輩でニコニコ笑っている。
「二人は付き合っているんですか?」
「「……」」
ありがとう、勇気ある部員!
二人が付き合っているか、付き合っていないか、気になる全員の疑問を代表して聞いてくれた。
「俺らは……」
「付き合っては」
「ないね……」
「ないな……」
前田先輩と木下先輩が顔を見合わせなが交互に話す。