− 夏色模様 −
やっぱり二人は付き合っていないのか……。 でも、誰もが感じているはずだ。
二人の雰囲気は“恋人同士―――”
「前田先輩も木下先輩も絶対モテるはずなのに、どーして付き合わないんですか!」
「俺は別に……」
「あたしも……」
あーあ、二人とも困っているし……。
「俺んクラスの女子が“前田先輩カッコイイ”っていつも騒いでますよ!」
1年生の部員が興奮気味に伝える。
「どーも」
苦笑い気味に前田先輩が答えている。
やっぱり前田先輩ってかっこいいよな。
苦笑いしながら答える姿も様になっている。
「年下の彼女ってどうなんですか?」
「好きんなれば問題無い」
「だったら俺のクラスの……」
まだ話している途中だけど、前田先輩が言葉を遮った。