− 夏色模様 −
「なにか気になるようなら、夜に俺の部屋に来てくださいよっ。 俺の部屋は、階段の近くなんでっ!
…… それじゃっ!」
「あっ! ちょっとッッ!」
庭に着いた。 本当はもう少し話したかったけど…… タイムアウト。
続きをわざと気になるようにして、俺は木下先輩の前から立ち去る。
後ろから俺を呼ぶ声が聞こえたが…… シカト。
体育館に戻ると…… 何事も無かったように練習が進んでいた。
前田先輩は、1年生の指導をしている。
すいません、前田先輩。
俺…… マジで前田先輩は尊敬しています。
でも……。 少しだけ、前田先輩にも意地悪。 させてください。