− 夏色模様 −
2日目⇒ 醜い意地悪。
体育館で練習していたら、木下先輩が戻ってきた。
カワイイスマイルを撒き散らしている。
もちろん、木下先輩が帰ってきた――― と言うことは、前田先輩も近くにいる。
俺は、そっと近づいた。
「あっ、木下先輩。 お疲れ様ですっっ!」
前田先輩と桐谷先輩、愛川先輩に、不信そうな視線を向けられている。
たぶん…… 絶対、あの3人は俺が木下先輩に気があるって気づいている。
だから、こそ……。
「木下先輩、今夜。 待ってますから!」
こうやって、言うしかない。
俺の言葉に戸惑っている木下先輩を隠すように、前田先輩が木下先輩の前に立った。
「えーとっ、西村だっけ?」
「はいっ、そうです」
いつもより、低い…… 前田先輩の声が飛んできた。