− 夏色模様 −

3日目⇒ “本気”と書いて“マジ”と読む。





少し振り向き俺がついて来た事を確認し、再び前を向いて歩き出した。


二人の足音だけが、響き渡る。




「あのっ!」


一つだけ、聞いておきたいことがあった。

これだけは、いくら考えても答えを導き出すことが出来なかった。


「なんだ?」


「どうして木下先輩は、この合宿に参加したんですか?」


本来なら、木下先輩のような初心者は参加しないだろう。

でも、3年生なのに参加した理由…… それは、いくら考えても思いつかない。


「俺がまおに“合宿に参加するか?”って、声を掛けたら“行くっ”って言ったから。
俺も陽太から助っ人頼まれて参加するし、愛川もマネやるって聞いていたから愛川と仲良くマネでもやればいいって思ったんだ」


「木下先輩って、耳が聞こえないのにどうして?」


サラっと、聞いたつもりだった。




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