− 夏色模様 −
4日目⇒ タイムリミットは、10分間。
ここは、俺から話すべきだと思う。
「俺……」
ビクッと、木下先輩の肩が揺れた気がしたが、時間が無いので、先に進める。
「俺、木下先輩が好きでした」
俺からの突然の告白。 木下先輩が、驚かないはずがなく――― 大きな目がこぼれ落ちる位、見開いて俺を見つめる。
「先輩、俺と最初に話したのっていつか、わかります?」
「タオル、運んでくれた時?」
そっか、そんな程度の存在だったのか。
“西村 雄飛”という存在よりも、“ケガした部員”としても、木下先輩の中には印象を付けることが出来なかったようだ。
「俺、ずっと木下先輩みていました」
それはもう、ストーカーのように……。 一方間違えたら、犯罪者だ。
俺の言った意味がわからなかったのか、首を傾げている。