− 夏色模様 −
そんな行動だって、俺にはカワイイように見えてしまう。
俺はやっぱり…… 相当、重傷だと思う。
年上なんだけど、どうしても年上に見えない。
「気付いた時には好きになっていて…… 目で追っていました―――」
「~~~ ッッ」
さっき俺が言った意味がわかったのか、顔が赤く染まった。
「今でも俺――― 木下先輩が好きです」
やっと、言えた。 長く時間が掛かったが…… 俺が抱いていた、木下先輩への気持ち。
長く…… 時間が掛かったな。
「あのっ!」
木下先輩の答えは、分かっている。
「前田先輩が、好きなんですよね?」
「――― !」
一瞬、驚いたような顔をした。
でも、恥ずかしがりながらもコクリッと、小さく頷いた。
「大丈夫です。 俺、これ以上木下先輩を困らせたりしませんから…… 俺の話し、聞いてもらえますか?」
木下先輩は、好きだ。
だから、木下先輩には俺の本当の気持ちを知って欲しいんだ。