− 夏色模様 −
4日目⇒ スマイル一番。
* * *
涙も引き…… バスに戻った。
ほとんどのヤツが戻って来ていて、思い思いに過ごしている。
俺は自然と、木下先輩を探してしまった。
「――― ??」
なにやら一人で寂しそうな様子。 近くに前田先輩や愛川先輩も桐谷先輩もいない。
一人、残されてしまったみたいだ。
「雄飛」
肩に重みを感じた。
「…… 捺稀、か」
「どうだった?」
捺稀には、今日。 前田先輩たちと話すことは伝えていなかった。
でも、俺の親友。 俺に何かがあったのか、感じとったみたいだ。
「ちゃんと、伝えた」
「なら…… いいんだ」
「悪いな…… なんか、迷惑かけて」
なんだかこの合宿期間中は、捺稀に迷惑かけたな。
俺…… これでも“キャプテン”なんだから、しっかりしないといけない立場だったのに、自分のことで頭がいっぱいだった。