− 夏色模様 −
どうして、あたしに“好き”って言ってくれないね?
去年は、あたしに“――― 好き”って言ってくれたよね?
もうあたしが好きじゃない?
「――― んっ」
桐谷からのキスが降ってきた。
キスだけじゃ、イヤ。
あたしは、言葉が欲しい……。
あたしに“好き”って言って、安心させてよ―――。
あたしを離さないで―――。
ねぇ、桐谷―――。
桐谷は一体……。 誰が好きなの?
不安を掻き消すかのように、あたしは桐谷に強く抱き着いた―――。