− 夏色模様 −
第6話:泣き虫なお姫さま。
My Sweet Princess.
合宿を終え、夏季講習が始まったそんなある日……。
俺の部屋には、なぜか“陽太”がいる。
…… 理由は、簡単。
「頼むっっ、樹! 範囲が意味わかんねーんだっ、だから頼むッッ! 教えてくれッッ」
こう言って来たのがきっかけ。
まあ、陽太だし……。 色々借りがあるから、承諾したが……。 少し引っ掛かりもした。
「じゃあ“樹ん家”でやろう!」
別に図書館とかでもいい気がするが、まあ楽だしいいだろう―――。
「今週末の土曜日な」
…… てな、わけで。
「樹って、アパートに住んでんだな……」
「昔、説明したろーが」
陽太が俺ん家にやってきた。
俺の家に上げたことをあるやつは…… 陽太を入れたら二人目。
もちろん一人目は、まおだ。