− 夏色模様 −




菓子を食べる機会が少なく、まおが遊びに来た時くらいしか食べない。

父さんはメタボだから食べない。

そうなると、母さんとまおが食べるのみ。


「まおちゃんって、樹ん家によく来るのか?」


俺が持ってきたテーブルの上に菓子などを置き、座る。 対面には陽太。


「頻繁には来ねーよ。 俺だってバイトあるんだし」


「そっか。 …… そうだよな」


つーか、なんでそんな“まお”の話しばかりなんだよ。 なんか、気に入らねーな。

そもそも、勉強が分からなくて……。


「ちょい、陽太。 お前、本当は何しに来た?」


あん時は“わからないなら、しょーがない”って思った。 でも、相手は“まお”では無い。 “陽太”だ。 陽太が“勉強”がわからないからって、わざわざ休みの日に教えてほしいって頼み込む程、勉強には困らないはずだ。




< 292 / 300 >

この作品をシェア

pagetop