− 夏色模様 −




ベットの上に転がる、白黒の水玉クッション。

俺の部屋に似つかないんだよな……。


「樹って、こんな趣味……」


「あるわけねーだろっ!」


陽太の言葉を途中で遮る。


「あれは、まおと遊びに行った時に取ったやつ。 それが俺の部屋にあるだけだ」


あっ……。 俺、なにげにスゲー事言わなかったか?


「はっ? お前、休みの日にまおちゃんと遊ぶのか?」


「まおが、ヒマそうだったら?」


あちゃー、やっちまった。 まおと休みの日に遊んでいることは陽太に一度も話したことが無い。

俺のクッション…… とか言ったが、実際は俺ん家に来たまおが抱き着いたり、枕にしたりして、まおのおもちゃだ。


「なぁ、まおちゃんを今から呼ぼーぜっ」


「はぁ!? 嫌だし」


陽太が邪魔。 まおと過ごすなら二人がいい。




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