− 夏色模様 −




なんて考え、陽太には見え見えらしく……。 ケータイを取り出した。

そして、電話を掛けはじめた。

掛けている相手がわかるから、何も言わない。


「あっ、まおちゃん。 今さ、樹の家にいるんだわ。 だから、まおちゃんも来ない?」


ふーん、珍しいな。 電話に出たってことは、昼寝してねーんだな。

明日は雨か?


「陽太、まおに来るなら“歩いて来るように”言っといて」


伝言も頼む。

まおのことだ、絶対遊びに来る。

ってことで、まおの分の飲み物でも用意するか。


電話を掛け終わった陽太と目が合う。


「まおちゃん来るってさ」


「あっそう」


俺は立ち上がった。


「ちょい、まおの分を用意してくるから待ってて」


まおなら…… ミルクティーだな。

あと、チョコとか探してみるか。




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