− 夏色模様 −




外は暑いから、アイス・ミルクティーだな。

適当にお菓子を漁っていたら…… マシュマロを見つけた。


まおの分のお菓子を持って、部屋に戻る。


「なんか、やけにまおちゃんだけ特別すぎねーか?」


「まおだし……」


俺はクローゼットに近づいて、薄い上着を探す。


まおに俺らの部屋は寒すぎる。 なんせ、クーラーをガンガン使っている。

汗かいているから、体温を冷やしてしまう。


まおに着れそうな服は……。


「過保護だよなー、全く」


「これくらいしねーと、アイツはダメなんだよ」


「まおちゃんからウザがられるぞ」


「そん時は、そん時」


まおが俺をウザかったり、嫌ったりしたら……。 俺は生きてけねーな。


ピーンポーンッッ!


俺ん家のチャイムが鳴った。


「あっ、俺が樹の代わりに行ってやるよ」


あっ、おい。 陽太!


気付いた時には、遅く……。 陽太が玄関に向かっていた。




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