− 夏色模様 −




ったく、どーして俺ん家なのに陽太が迎えるのかさっぱりわかんねーしっ。

黒い長袖のジャケットを見つけ、ベットに置く。

あとは…… タオルケットを用意した。


「いっくん……」


「いらっしゃい」


ドアからこっそりまおが顔を覗かせた。


なんつーか、かわいいな……。

まおのこういった表情、嫌いじゃない。


「入っておいで、ミルクティーあるから」


こういえば、ヒマワリが咲き誇る。


「あー、アイスティーにしてくれたんだ! ありがとう」


青の、花柄のワンピース。


青とか、珍しいな…… なんて、思いまおを見ていたら、やけに視線が突き刺さる。


「なんだよ…… 陽太」


「鼻の下が伸びているなーって」


あほかっ。 なをも考えてねーよ。

まおが嬉しそうにカップを握りしめて座っているので、もちろん俺はその隣。

陽太は俺の対面。




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