− 夏色模様 −
1日目⇒ 眠れない……。
日付がそろそろ変わりそうだけど……。 あたしは寝付けないでいた。
体は疲れきっているはずなのに……。
「だめだ……」
まおの部屋に行こうか迷ったけど……。 どーせ、寝ているよね。
…… と、言う事で。 あたしはロビーに行くことにした。
誰も歩いていない廊下をゆっくり歩いて、ロビーに向かう。
「…… 前田くん?」
「――― ッッ! 愛川」
前田くんは自販機近くにあるソファーに座っていた。
「何しているの、こんな所で……」
「別に、ただ眠れないだけ」
「あっ! あたしと一緒だ」
今夜は暑い。 だから、眠れないのかな?
「何か買ってくれば」
前田くんからお金を渡された。
でも……。 お金なんて、貰っちゃっていいの? まおなら、ともかく……。
「今度陽太から返してもらうから気にすんな」