− 夏色模様 −
「まおは俺の部屋で寝ているんだわ」
「どーして」
夕ごはんのあとは、まおと普通に部屋の前で別れた。
まおの性格からして……。 就寝時間の頃に、部屋を抜け出すなんて、考えられない。
「俺が呼んだからな、まおを」
「どうして?」
「別に」
はぁー。 こう言うところは相変わらず。
どうせ、まおに会いたいとか、話したい……。
そういった所だろう。
あえては口に出さないけど。
「前田くんって……。 まおが好き?」
「好きだよ」
あっ、ここはごまかしたりしないんだ……。
「そっか……。 あたしも、好き」
「好きすぎて、たまにこえーよっ」
前田くんが少し笑って、足を組んだ。
どこか、その笑い方が悲しそうにも見えるのは……。
今の前田くんの不安の現れる?
それとも、本気でまおが好きすぎて……。 怖いの?