− 夏色模様 −
2日目⇒ 告げ口。
あれから……。 前田くんとは軽く喋って、部屋に戻った。
そして翌日……。
「AとBに別れて、20分後に練習再開だからなー」
「「はいっ!」」
部員たちの元気の良い声が響いた―――。
「愛川、俺にもお茶。 くれないか?」
「はいよ。 ――― お疲れ、桐谷」
まだ桐谷に対して、不安が無くなったわけではない。
それでも……。 桐谷の近くにいたくて。
そばにいたいから……。
あたしは気づかない振りをする。
「どんな感じ、今年のバスケ部は?」
「あー、まだまだ練習しなきゃいけねーけど……。 これからが楽しみだよっ」
そっか。 桐谷って……。 自分じゃ気付いていないみたいだけど。
バスケの話しをするとき。 一番嬉しそうな顔をしている。
「優ちゃん、陽太くんっ」