− 夏色模様 −




前田くんが不機嫌になってきた。

西村くんの行動にも、疑問を抱いているはずだ。


「つーか、部員は9時には消灯だろ? そんな遅くにまおが西村んとこにいたほうが問題だ」


もっともな意見をありがとう。

ただの前田くんの“ヤキモチ”のようにも思うけど……。 今はそれが役に立つ。



「えー、いいじゃないですか! だって、夜中……」


ここで、西村くんがあたしたち4人に大きなバクダンを投下してきた。


「前田先輩と愛川先輩は、ロビーで二人でいたじゃないですか!

二人で仲良く座ったりして、話していたんだから俺らだってそれくらいしても良いんじゃないんですか?」


「……」


西村くんは、まだ続ける。


「前田先輩と愛川先輩って、付き合っているんですよね?
昨日、二人で“――― 好き”って、言っていましたもんね」




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