− 夏色模様 −
さも、当然のように言い放った。
そっか……。 そうなんだ。
桐谷にとって、まおは“妹”なんだ。
「桐谷にとって、彼女って……」
彼女って……。 誰?
「そんなの、愛川に決まっているだろーがっ」
あたしは……。 その、言葉が聞きたかった。
「うん、ありがとう……」
「別に、普通だろーが」
あたしにしたら、桐谷からの言葉が一番嬉しい。
何にも変えられない、言葉。 なんだ―――。
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