− 夏色模様 −




「自分が“嘘”をつけない性格だって」


まおの顔が一気に赤く染まる。


こんな顔をされたら、まおに何かがあったのは一目瞭然。

さー、まお。 何があったか、吐いてもらおうか。



「優、お茶くれっ」


陽太たちがベンチに戻ってきた。



「まお、俺に―――」


「自分でやって!」


あちゃー。 相当、本気で怒っているよ。


前田くんは渋々といったような感じで、自分でお茶を汲んだ。


陽太なら―――。 何か知っているかな?



「陽太……」


「樹とまおちゃんのことか?」


さすが陽太。

なんでもわかっている。


「わりー、まだ樹から聞けてねーんだわ」


「そっか、しょうがないね」


陽太にも前田くんは相談してい無いようなことを二人はやっていたのか。




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