− 夏色模様 −




「あの二人は問題を起こさない―――。 そう思ったから、放っておいたんです。 実際、何事もなく二人とも楽しそうに過ごしてくれたんで結果的には、問題ありません。

それに……」


平本先生はまだ続けた。


「それに、前田くんと木下さんなら……。 修学旅行の時も二人で会っていたことを知っていたので」


「――― !!」


ちょっと待って!

確かに修学旅行の時。 まおは前田くんの部屋に行った。

けど……。

“誰にも見つからなかった!”

そう報告されたんだよ?


まさか……。 平本先生に見つかっていたとは。



「じゃあ、先生は今から木下さんの部屋に行ってくるので、こっちの方……。 少し見てもらってもいいですか?」


「はい、わかりました」


静かな声で陽太が答えた。




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