− 夏色模様 −




はぁー、そんなことはしょうがないじゃん……。 受験生なんだから。

どれだけまおにハマっているの。


まおはまおで前田くんのそのお誘いにまんまとのっているあたりがまおだ。



「樹って、俺と平本先生に部屋が挟まれているのに……。 よくやったよな」


「声とか聞こえた?」


「少しな。 男子ばかりの階にまおちゃんの声は響くから」


呆れたように陽太が笑った。

まおの声って以外とよく響く。


まさに“女の子”って感じで、ソプラノ声。


「前田くん。 まおと仲直りしたかな?」


「しなきゃ、樹が明日ヒデー状態になっている」


前田くんはまおで回っている。

どーせ、明日もまおと過ごすんだろう……。


まおと話したい部員は、ほらここにたくさん……。


「木下先輩って明日はどうするんだ?」


「一人か?」


「前田先輩とじゃないか?」


前田くん! 前田くんの3日間の成果は、ちゃんと部員に現れているよ!




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