− 夏色模様 −




ぶらぶらと、お土産屋さんが並ぶ道を陽太と、手を繋いで歩く。

時々、立ち止まったりしてゆっくりとした時間を過ごす。


「昼飯はどーする?」


「かき氷、食べたいっっ」


「“かき氷”か……。 ったく、優も“まおちゃん”に似てきたな」


あたしが…… まおに?

どういうこと?


「まおちゃんは、樹が“何食いたい?”って聞くと……」


聞くと……?


「主食以外を答えるんだと」


あー、ちょっと納得かも。

まおって、自分が食べたいものをピンポイントで答えてくる。


だから、食べ物選びはラクといったら、ラクなんだよね。


「俺らはファミレスでいいか?」


「かき氷…… あるかな?」


「あるんじゃね?」


いい加減な言い方だなー。

でも……。 ファミレスだから、あるか。




< 67 / 300 >

この作品をシェア

pagetop