− 夏色模様 −
ぶらぶらと、お土産屋さんが並ぶ道を陽太と、手を繋いで歩く。
時々、立ち止まったりしてゆっくりとした時間を過ごす。
「昼飯はどーする?」
「かき氷、食べたいっっ」
「“かき氷”か……。 ったく、優も“まおちゃん”に似てきたな」
あたしが…… まおに?
どういうこと?
「まおちゃんは、樹が“何食いたい?”って聞くと……」
聞くと……?
「主食以外を答えるんだと」
あー、ちょっと納得かも。
まおって、自分が食べたいものをピンポイントで答えてくる。
だから、食べ物選びはラクといったら、ラクなんだよね。
「俺らはファミレスでいいか?」
「かき氷…… あるかな?」
「あるんじゃね?」
いい加減な言い方だなー。
でも……。 ファミレスだから、あるか。