− 夏色模様 −
第2話:特別*キラキラ夏合宿☆Mao's Summer.
はじまりは、突然。
「海、行きたいなー」
帰りの電車の中。
あたしは、宣伝広告に目を奪われて……。 そう呟いた。
「はぁ!? 海だ? お前、自分が“受験生”って自覚あるのか?」
隣に座るいっくんからの痛ーいお言葉をいただいた。
別に“海に行きたい”って思うくらいは自由だ!
どーせ、実際に行けるなんて思っていないし……。
「じゃあ、いっくん。 今年もお祭りに一緒に行こうよ」
「少しは“受験生”って自覚を持てよ……」
あまりにもあたしが“受験生”らしからぬ言葉ばかり言うせいか、いっくんが頭を抱える。
でも、こんなことはいつものこと。
いっくんを悩ますのは、あたしの得意技。
でも、それから数週間後……。
チャンスはやってきた。