− 夏色模様 −
「まお、海……。 行くか?」
「…… 海?」
数週間前は、海を考えることすら反対だったいっくんが……。 どうして海?
「陽太のバスケの助っ人で行くんだわ。 愛川も行くみたいだから、まおも行くか?」
確か……。 バスケ部の顧問はあたしたちのクラスの担任。
ギックリ腰のせいで、しばらく学校をお休みするって言っていたからな……。
「どうする、行くか?」
そんなの、決まっている。
「行くーーー!」
「はぁー。 言うと思ったよ」
あたしの隣に座るいっくんが……。 なぜか、頭を抱えているように見えるけど。
気にしなーい、気にしなーい。
キラキラ輝く海。
暑い太陽。
「プチ旅行ー!」
「バカッ、ちげーよっ。 夏合宿だ!」
あたしのいっくんの。
4日間の夏合宿が始まる―――。