− 夏色模様 −
1日目⇒8:2.
合宿当日 朝―――。
バスで目的の旅館に向かうから、いっくんと学校に集合した。
「なんで、まおと前田くんがいるのっ!」
それは、優ちゃんの驚いた声から始まった―――。
「ちょ、あたし聞いてないよ」
「あー、愛川に言い忘れたからな」
陽太くんが少し、言いずらい感じで、答えている。
「前田くん……。 ちょっと」
あーあ。 もしかして、あたしって“邪魔”だったのかな?
優ちゃんと陽太くんは、この夏休み。 お互いの時間が全然合わなくて、会える時間が少ない。
それは、夏休み前に優ちゃんがぼやいて知っていたはずなのに……。
あたし…… 優ちゃんの邪魔しちゃっている。
「優ちゃん……」
バスから離れた優ちゃんに近付いた。
「邪魔、しないから……」
お願いだから、あたしを嫌いにならないで……。