− 夏色模様 −
「まーおっ」
「優ちゃん……」
「マネージャー、手伝ってくれるんでしょ?」
「うん……」
いっくんがあたしを連れていく条件が、あたしも“マネージャーを手伝うこと” だったのだ。
だから、去年。 優ちゃんと出来なかった“マネージャー”が出来ることを、楽しみにしていた。
「楽しもうねっ」
「…… うんっ」
優ちゃんが少し、怒っているかな? なんて、思ったけど……。
あたしの勘違いだった。
優ちゃんは、いつもの優ちゃんだった。
「まおー、バス乗るぞー」
いっくんとバスに乗り込む。
酔いやすいっていうのもあるけど……。
「どうしてあたしの隣がいっくんなの?」
「文句を言うなっ」
誰よりもあたしを理解してくれるからって……。
「優ちゃんと座りたかった……」
つい、本音がポロリ。