− 夏色模様 −




あたしの頭がいっくんの肩の方に、引き寄せられた―――。


「疲れるだろうから、寝ろっ」


「う、うん……」


あっ!! あたしの頭の上に、いっくんの頭が乗った。


「いっくん。 頭、重い」


「まおの頭より中身は詰まっているからな」


少し、あたしを小ばかにしたように笑ったいっくんだけど……。


「まお……。 楽しもうな。 この、合宿」


「うん」


やっぱり、いっくんは意地悪で優しい言葉を言ってくれる。


いっくんの温かさを、直に感じながら―――。

少しだけ、睡眠を取る。





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