− 夏色模様 −
1日目⇒ バスケ・スタート。
「まお、これと…… これっ。 南側に持っていって」
「はいっっ!」
あ、あ、慌ただしいっっ。 急がしい。
体育館をちょこちょこ動き回って……。 準備だけで、一苦労。
優ちゃんって、こんな大変な事を今まで一人でやっていたの?
「大変だー」
「それが“仕事”なんだから、しょーがねーだろっ」
「――― !!! いっくん」
さっきまで、ボールを持ってゴール決めたり…… 色々やっていたのにっ。
急に話し掛けてきて、びっくりさせないでよっ!
「ひとまず、まおも休憩したら? こっちこい」
持っていたカゴはいっくんに奪われ、後輩の手に渡る。
「これ、持って行っといて」
えぇーっ!
あたしの仕事なのに、後輩に任せちゃダメだってっ!!
「あー、気にしないでください。 桐谷先輩から“今回の合宿は、マネージャーの仕事も手伝うように”って言われているんで」
「だから、まおっ。 こっちこい」