− 夏色模様 −
へー、そうだったんだ。
知らなかった。
今回は、二人もマネージャーがいるからわざわざ部員の人に手伝ってもらうのは悪いと思うんだけど……。
どうやらいっくんには、関係無いみたいだ。
「涼しいだろ? 少し休んどけよっ。 まだまだ、1日は長いから」
ドアの近くまであたしを連れてきてくれた。
こうやって、適度にあたしに休憩を与えてくれるのは……。
「まおちゃん、疲れたら休んでいいから」
陽太くんが近付いてきた。
これは、指示である。
今回。 この合宿のメイン指導者は“陽太くん”
その陽太くんの助っ人役が……。 なぜか、いっくん。
「愛川とまおちゃんは、本来部員じゃないから、倒れられても困るから」
陽太くんが少し、眉を下げて笑った。
「俺だって、部員じゃねーしっ」
「樹は、しょーがねーだろっ」