− 夏色模様 −
そういえば……。 いっくんって、部員じゃない。
どうしていっくんが参加したんだろう。
こんな“合宿”とか……。 いっくんは、めんどくさがりそうなのに。
「なんでいっくんは参加したの?」
ちょっと、気になったから……。 聞いてみた。
「まおには関係ねーよっ」
「ムッ……」
陽太くんはいっくんの参加の理由を知っているのか、笑いを堪えている。
いっくんはいっくんで、あたしから視線を反らした。
なんか……。 この二人にはあるな。
あたしの直感がそう叫んだ。
「さーてっ、俺は愛川のとこにでも行くかなー」
陽太くんは軽快に優ちゃんの元に走り去っていった。
「あの中心からゲーム開始な」
陽太くんが走り去ったら、いっくんが……。
なぜか、バスケのルールを教えてくれた。